エットーレ・ブガッティは一時期、あまり裕福ではなかったフランス人にも自分のブランドの車を提供することを真剣に考えていたことがあった。

この才能に恵まれたカーデザイナーは、自分の考えたクルマに対する基準を簡素化するという考えはなかったようなので、計画された小型車は、このクラスのクルマとしては非常に豪華なものになったのも不思議ではない。クローズド・クーペとして設計されたこのクルマは、ガルウィング・ドアから乗り込む2人乗りのスペースが確保されている。ブガッティの有名で、高貴で、大きな車に乗っているような感じを出したかったのだろう。外観、特にフロントの印象的なラジエーターグリルは、この特徴を強調しており、アトランティックを彷彿とさせる部分もあった。